1930年代・11’#5〜6メール

かなり凝った仕様やデラックスなパーツ類などから製造された年代は1930年代と推定されます。メーカーのロゴなどが見当たりませんが、ガイドのラッピングが全てダブルに巻かれている等の細部まで行き届いた仕上がり、これだけ完成度の高いロッドなので名の知れたメーカーが作ったと思われます。

アクションは非常にデリケートなライト・スペイ・ロッド、ロング・ロッドに慣れた方なら時折シングルでも振れる軽さです。本流から中流域まで、キャステイングと魚とのファイトを楽しめるロッドです。ロッド重量約350グラム、1930年代のアンテイークらしいデラックスな柾目コルクで作られたグリップの長さは約24センチ。シートは、バット・エンドまで入れると約17センチ、シート下部に約5センチのスペースがあるのでダブル・ハンドとして使用できます。テップのガイド下端部で対面外径約2.6mm、バットのキーパー部分の外径約11.9mmです。

ロッドとしてはアクション、状態共にかなり良好ですがフェルールに瑕疵があるために特別の価格になっています。その他のロッドの状態は大変綺麗でスレッドの切れ、塗装の剥離、フェルールのガタツキなどは見られません。3ピース、1テイップ、オリジナル布ケース付。当店お問い合わせ番号SA539。グレードは  ¥28,350(税別¥27,000)

上記の瑕疵以外の状態はかなり良好でしたので、下記のフェルール部分の接着以外は特別のレストアーは不要でした。英国に於いて前のオーナーが全体の防水上塗りを行っていると推測されます。

下端部のウッド製バット・エンドは取り外しが可能です。エクステンションを取り付ける事も可能ですのでご希望の場合はご相談ください。
前のオーナーが英国に於いて防水上塗り加工を施してあるらしくブランクの状態はかなり綺麗です。インターミデイエット・ラップを含めてラッピングの切断や塗装の剥離などは見られません。ストリッピング・ガイドは特別のものが付いておらず、スネーク・ガイドになっています。
トップ・ガイドにはメノウ・タイプがついています。テイップの長さにショートはありません、オリジナルの状態です。フェルールのガタツキも見られません。
1930年代からそれ以前ののロッドに見られるカッパー・ワイヤーで巻かれたリングがフェルールの両端についています。当店でも正確な使用方法は不明ですが、キャステイング中にフェルールが抜けた場合の予備にスレッドで縛っていたのではないかと推測しています。

フェルールは全てデラックスなスパイク付タイプです。ガタツキ音等はしませんがミドルのオス・フェルールにクラックが入っています。途中にピンが打たれており、これが原因でヒビが入ったのかクラックが入ったのでピンで止めたのかは不明です。このままでも使用上支障ありませんが、専門家の手により隙間からエポキシ接着剤を注入してワイヤーで確りと巻き締めて固定しました。

左の画像はエポキシで接着した後のミドル・メス・フェルールです。クラックの隙間もレストアー前より狭くなっています。当店の専門家との検討でも使用上支障はないと推定しています。上の写真のクラック部が未接着の状態でも使用されていて問題がなかったことからも補強後の使用で問題が発生する可能性は極めて低いと推定されます。

09/21/2013

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