1960年代オービス・インプリグネーション8‘#4〜5メール


年代等は当店の推測ですが1950年代の可能性もあるかもしれません。1970年代のモデルとはシートなどの仕様が異なります。このロッドが作られた1960年代の前後は、第二次世界大戦前の1930年代と共にバンブー・ロッドの最後の輝きの時代と考えれています。世界の物流が盛んとなり多くのロッド・メーカーが良質のバンブー素材を潤沢に持ち、その為に十分な乾燥がなされていたのです。豊富なストックの中から選りすぐりの素材を使用していました。多くのバンブー職人も存在していたことも勿論大きな一因になります。

ロッドに書かれたライン表示は“HCH(7)”、()は7と読めますが確かではありません。シルク・ラインからナイロンに変わる時代の古い表示で“C”は一般的には#7か#8と対照されています。ただしシルク・ラインの時代はラインのサイズに厳密な統一性がなくメーカーごとに大きな差異がありました。このロッドはシルク・ラインでは#6〜7が適していると思われますが、現在のパワーのあるナイロン・ラインでは#3〜5(表記は#4〜5にしましたが#3も十分振れます)が適していると思われます。一般的に言える事ですが、当時の優れたデザインのバンブー・ロッドはその素材の性質上適応力が極めて高くラインはかなり幅広いサイズを使用する事ができます。当店での検証でこのロッドはナイロン・フライ・ラインの#3〜5が適していると推定しました。

 

バットのグリップ上部の対面外径約8.1mm、トップ・ガイドの下の対面外径約1.9mm、ロッド重量約140グラム。グリップの全長は約15センチです。アクションは1970年代のインプリグネーションに比べるとかなりデリケートな印象を受けます。ナチュラル・ケーンに極めて近い印象を受けます。

1970年代にオービスのインプリグネーション・ロッドにマデイソン・シリーズがありその中に8’#6〜7がありました。このロッドの後継モデルかもしれませんが当店の記憶では明らかにマデイソンはこのロッドより硬めのアクションだったと思います。当時アメリカでは飛行機での旅行が誰でも行けるほどポピュラーになり憧れのモンタナのマデイソン川に訪れる夢が叶う時代でした。マデイソンは大型のトラウトに合せてデザインされたロッドでありこのモデルとはかなり異なりました。

D1711のシリアルナンバーが記入されています。専門家によるフル・レストアーが施されているので現在の状態は大変良好です。インプリネーションの耐久性とシルク・ライン時代のデリケートなアクションは現在のフライ・フィッシャマンのお好みぴったりあうでしょう。アルミ・チューブは当時のシェイクスピアーのものが付いています。後年、安価な釣り具を作るようになったシェイクスピアーではなくほどほどのグレードの製品を製造していた時代のケースですので雰囲気は安っぽくありません。布ケースはオリジナルではないと思われます。8’と言う大変人気の高い長さとライン・ウエイトながらオービスとしては価格が比較的お買い得なのはこの点を考慮しております。

当店お問い合わせ番号 SA626。2ピース、1テイップ。専門家によるフル・レストアーが行われていますので状態は大変綺麗です。グレードは¥73,440税別¥68,000)

 

 

 

このロッドはほぼ専門家によるフル・レストアーをおこなってあります。ラッピング部は全て巻き直して再塗装してあります。トップ・ガイドのみ新規に交換してあります。曲り直し、ブランク表面の清掃等を行っていますので現状はかなり良好と言えます。

シートに大きな傷や欠落は見られません。シートは短めなのでアンテイーク・リールの長めのフットは入りません。一般的なハーデイのフットは入ります。

ロゴ・マークが綺麗に残っていますが、注文主と思われるAlderie A. Boyer.Jrのネームが入っています。

ラッピングの巻き直しやロッドの表面の塗装面の手入れ等のレストアーを行っていますので現状は大変綺麗です。

フェルールの調整も行っているので差込にがたつきは見られません。

 


09/05/2021
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