1920年代グリーン・ハート 9' #3〜4メール

年代等はロッドの仕様等からの当店の推測です。メーカー名等がロッドやケースに付いていないためロッドの由来が不明です。年代は幾つかの特徴ある仕様などから1800年代の可能性も考えられます。メーカー名が無い為、大変珍しい良好なグリーン・ハート・ロッドながらかなりお買得になっています。

特筆すべきは欠損している場合の多いグリーン・ハートとしてはその状態の良好な事です。ロッド全体の状態が大変綺麗で経年によるスレッドの劣化、それによるストリッピング・ガイドの喪失等はあっても2テイップが揃って残っているこのような良好な状態のグリーン・ハートは大変貴重なアンテイークと言えます。これからも長くご愛用いただけるロッドです。

現在のロッドにも共通する極めてデリケートなアクションです。ロッドの目方実際以上にが非常に軽く感じます。ラインは#3〜4がメインでDT2でも使用できるでしょう。ロッド重量約210グラム、グリップ上端部のブランクの外径約10.2mm、トップ・ガイド下の外径約1.9mm。古い時代の特徴である柾目のコルク・グリップの全長は約17cm、グリップの最大外径約23mm。ブラスのリング・シートが付いたウッド部分は約14cmです。ロッドは一日中振っていても重いとは感じないでしょう。状態は大変綺麗です。3ピース、2テイップ。オリジナル・ケース付(ケースの作りもかなり凝ったものです)。当店お問い合わせ番号SA662。グレードは \39,960(税別\37,000)。

経年の為にガイド・ラッピング・スレッドの劣化が見られたので、全てのガイドの巻き直しを行っています。スレッドが切断されていたためにストリッピング・ガイドが欠落していました、オープン・フレームのガイドを取り付けました。ガイドのラッピング以外は大変綺麗でしたが、今後の使用を考えてほぼフル・レストアーに近い作業が施されています。

ブラスのリング・シートは、全長約14センチ。オス・フェルールの下端部からグリン・ハートが突き出していますが、この部分がメス・フェルール内部のブランクの溝に差込まれて強度、アクションの一体感を生み出すことになります。これは古い時代のグリーン・ハートのデザインの特徴です。1800年代と推定する根拠の一つです。

ロゴが記入されていません。当時、フライ・フィッシュイングは極めて限られた人々の趣味でした。それらの人々の特別注文を受ける小さなロッド・メーカーが(わざわざ名前を記入するほどでもないような小さなメーカーでしょう)が各地に存在して居たようです。

ストリッピング・ガイドは欠落していたのでオープン・フレーム・タイプを取り付けてあります。

ガイドのラッピングは全てやり直しあてあります。ブランクは大変綺麗な状態の貴重なアンテイーク・グリーン・ハート・ロッドです。

フェルール各部の差し込みも確りと固定できます。ロッドの状態はかなり綺麗ですのでこれからも長くご使用になることが出来るでしょう。特筆すべきは2テイップ・モデルであることでしょう、2本のテイップが完全な状態で残っています。安心してご使用になれます。

オスとメスの各フェルールに小さなガイドのような金具が取り付けられていますが、ここに糸を通してオスとメスのフェルールを結びます。キャステイング中に抜けないようにする目的の金具です(テープで巻き止める目的と同じです)。当時のフライを楽しむ人々の嗜好と手の込んだ作りがここにも見られます。勿論このまま通常のフェルールと同じくただ差込んでご使用になれます。


06/14/2015

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