サウス・ベンド・7‘#5・フライ&スピニング・
コンビネーション
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シートが2種類セットされていて、フライ・ロッドとスピニングの両方に使用できる大変ユニークなバンブー・モデルです。このようにフライトスピニングの両用に使用できるモデルは、アンテイークのオービスなどにも見られる仕様で、当時はそれなりの需要が有ったと推測されます。

サウスベンドはアメリカを代表する釣り具メーカーの一つでした。当店の知る限りでは創業が1917年、1953年にその幕を閉じる事になったと思います。特筆すべきはオービスのロッド・デザイナーとしてのみならず現在に至るまで不世出のロッド・ビルダーとしてアメリカを代表するあのウエス・ジョーダンが1927年から1938年までの間サウス・ベンドに在籍した事です。サウスベンドのアンテイーク・ロッドが高い評価を得ているのはウエス・ジョダーンのデザインが生きている事にあります。

このモデルはフライ・ロッドとしては#5〜6ライン、ルアーは渓流用のウルトラ・ライトとして使用できます。渓流用フライ・ロッドとしての使用が可能なアクションにデザインされているのでスピニング用としてはかなりデリケートなアクションになります。7’という長さを利用して、1g以下の軽いルアーでもロング・キャストが可能です。リール・シートはフライ用とスピニング用の二つがセットされています。

グリップはスピニングとのコンピネーション・ロッド用に適した、通常のフライ・ロッドに適した18cmより長く、約25cmになっています。グリップ力と使用感が快適な柾目コルクが使用されています。ロッド重量約140グラム、グリップ上端部の対面外径は約9.9mm、トップ・ガイド下の対面外径は約2.3mmです。ロッドの状態はアンテイーク・ロッドとしては通常の状態です。大きな傷や剥離は見られません。ケースはオリジナルではありません。 2ピース・1テイップ。当店お問い合わせ番号SA752。グレードは \18,900(税別\17,500)

ブランクの防水全面塗装とラッピング部の防水上塗りを行ってあります。微小な曲がり直しとフェルールの調整も行いました。

グリップに大きな欠落はありません。欧米のフライ・ロッドにしばしば見られる事ですが、グリップ下端部にフックを引っ掛けて移動する為の小さな欠けが見られたので埋めてあります。痕跡は殆ど分からないと思われます、今後の使用にも支障はありません。シートの機能には問題ありません。写真のテイップ下部に古いロッド独特の塗料の足れば見られたので調整し上塗りを施してあります。

ロゴも全ての部分が綺麗に残っています。ロゴの飾り巻部分の細いインターミデイエット・ラップ部分がほつれていたので巻き直してあります。

ブランクには使用上問題となる大きな傷や塗料の剥離などはほとんど見られません。古い時代の塗料に見られる垂れた部分があったので綺麗に些少の修正を行いました。

フェルールにも違和感は見られず、気になるようなガタツキや緩みは感じられません、正常に機能しています。

珍しいフライトスピニングのコンビネーション・ロッド、釣り場の状況や釣り方によっては大変便利なロッドです。


07/09/2017

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