1937年ハーデイ・JJHハーデイ・トライアンフ8‘9“#4〜5メール

トライアンフは幾度かキャステイングのチャンピオンとなった事のあるJJHハーデイの名前が付いたハードな遠投用ロッドです。1933年から1971年までの間製造されたモデルで(その後1980年の一年間だけ特別に製造されました)、1930年代は3ピース・モデルもありましたが後年は2ピース・モデルだけになりました。本流や中小の止水域で遠投を楽しむパワフルなロッドです。このロッドは何故か一般的なJJハーデイ・トライアンフと異なり非常にデリーケートです。

J.J.Hardyの当時の競技会での輝かしい記録を記念して作られた“勝利・(Triumph)”と名付けられたこのトライアンフです。

ロッド重量約130グラム、バットのグリップ先端部の対面外径約8.6mm、テイップのトップ・ガイド下の対面外径約約2.1mmです。シートと一体式のグリップのシート部分を含めた全長は約26cmです。このロッドは、大変貴重な発売5年後の1937年モデルになりますが、状態が非常に良好な事とアクションが現在のモダンなロッドに似てハーデイとしてはかなりデリケートな部類と言う特徴があります。

当店での販売がそれ程多くないのですが、トライアンフは上段説明文の通りかなり遠投用のハードなロッドの印象があります。発売当初のJJハーデイ・トライアンフはこのように柔らかいアクションであったのかそれとも特注であったのか特定はできませんがこのロッドは現在の#4〜#5に適したモデルです。ロッドを振るとその軽さと(カルカッタ・ケーンの可能性も推測されます)デリーケートなアクションというのが最初の印象です、どなたでも違和感なく渓流から中流域の釣りを楽しむ事が出来るお勧めのモデルです。持つ楽しみ・見る楽しみそして使う楽しみが高いグレードで堪能できるアンテイーク・ロッドです。

 

 

 

 

 

 

ガイド部、ジョイント部はクリムゾン・カラーにスカーレットの飾巻き、ラッピングは古い時代の丁寧な作りを感じさせる最後が何重かに巻かれています。インター・ミデイエット・ラップはブランク部カラーと同一、全体的にシックなラッピングです。ロッドの状態は、最も多くの良質ロッドを輩出した1930年代のモデルとしてはほぼオリジナルの状態を保ったかなり良好なグレードです。

グリップ上端部の飾巻部分は前のオーナーが個人で巻き直したと思われます、又ストリッピングも巻き直された可能性がありますがこちらはプロの手によると思われます。フェルール・キャップはメスのウッド製のみならず珍しいオス用の金属製カバーも付属しています。特筆すべきは当時のイギリス製品のクオリテイーの高さを表している上段写真のウッド・ケースが付いている事です。そこまでやるかと思われる極めて凝った造りに見る楽しさを味わえると思います。ウッド・ケースにはハーデイのロゴが付いています、更にこのケースを収納するオリジナルの布ケースも付いています。ウッドのケースのストラップの一部が切れかかっていたり細部に欠落が見られますが大変綺麗な状態です。これらの付属品の状態からこのロッドはかなり丁寧に使用された事が見て取れます。

トップとストリッピングはハーデイのクリヤー・メノウが使用されています。他のスネーク・ガイド類も含めて錆などが見られない大変良好な状態を保っています。全体のロッドの状態はかなり綺麗でこれからも長くご使用できる美しいアンテイーク・ロッドです、2ピース、1テイップ・モデル。デラックスなハーデイ・オリジナル・ウッド・ケースと布ケース付。フェルール・キャップ2個付き。当店お問い合わせ番号SA918。グレードは説明: http://www.sasanofly.com/antiqueimg/logo_antique/stars/45stars.gif説明: http://www.sasanofly.com/img/zeikomi.gif¥53,900(税別¥49,000)

古い時代のハーデイは、特注がしばしば見られる事や年代による変動などからこの説明が同じモデルの全てに適応するものではありません。掲載ロッドだけの説明とご理解ください。

1930年代のロッドとしては状態が非常に綺麗な為レストアーの必要性はありませんでしたがテイップ部の1本のインター・ミデイエットが少し弱っていたので今後の使用を考えて巻き直しを行いました。テイップの軽微な曲がり直しも行ってあります。これらの軽微なレストアーの痕跡は見つけにくいと思われます。

一体式のグリップ部分に欠落や凹み等は見られません、かなり良好なオリジナルの状態を保っています。フェルール・キャップは大変珍しいオス用の金属製も付いています。

シートは現在のフットの薄いリールでも確りと固定出来ます。殆どのブラス製アンテイーク・ハーデイ・リールのフットも固定できます。オス用のメタル・フェルール・カバーをセットしてみました。

ロゴ・マークも殆どオリジナルの状態で綺麗に残っています。右の2か所の飾り巻きはオーナーが自分で行ったようです。

ブランクは1930年代としては大変綺麗な状態で傷や塗装の縮み皺(若干は見られますが当時のモデルとしてはかなり少ない)などは見られません。アンテイークらしいハーデイのクリヤー・メノウ・ストリッピングが付いています。ストリッピングのラッピング部分のスレッドがプロの手で巻直しが行われていると推測されます(お気づきにならないかもしれませんが)。スレッドの断裂や塗装面の目立つような傷やひび割れは見られません。ガイド類も錆などが見られない大変綺麗な状態です、大変丁寧に使用された様子が分かります。

デリケートなアクションに適したサクソンジョイントの差し込みにがたつきは見られません。トップ・ガイドはハーデイ製のクリヤー・カラーのメノウです。フェルール・キャップが付いています。

1934年ハーデイ・アングラーズ

このロッドが造られた1937年の3年前、1934年に掲載されたJJハーデイ・トライアンフの説明文です。

1931年晩年のJJH・ハーデイが4-1/2オンスのこのパラコナ・ロッドで(発売前になると思われます、そして初期の2ピース・モデルは4-1/2オンスでした)27ヤードの素晴らしいキャステイングを行ったと幾つかのデータに書かれていました。当時のシルク・ラインとしてはかなりの距離と言えます。

当店の理解が正しければ、1933年から発売されたパラコナ仕様のJJHトライアンフには彼の助言が有った可能性が高いと推測されます。当店の理解が間違っている場合もある事をご高配ください。ロッドの来歴にかかわらず、パワフル・ロッドと言う印象のJJハーデイの”トライアンフ”モデルとしては非常にデリケート、そして状態がかなり良好です。

 


01/11/2020
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