1943年ハーデイ・イッチェン・ドライ・フライ・ロッド 9’6”・#4−5メール

スキューズの愛してやまなかった有名な釣り場であるイッチェン川から名づけられたハーデイのドライ・フライ・ロッドの名竿の一つです。1912年から1952年頃まで製造されたフライ・フィッシャマンを唸らせずにおかない素晴らしいロッドです。最もデリケートでシャープなアクションのドライ・フライ・ロッドの一つとして知られています。9‘6“と10’0”の2モデが造られました、このモデルは古い時代のロッドのラッピング・カラーであるバンブー・カラーです。

古い時代のハーデイは、特注がしばしば見られる事や年代による変動などからこの説明が同じモデルの全てに適応するものではありません。掲載ロッドだけの説明とご理解ください。

フェアリー(ベリー・ライト・モデルですが)等同じく所謂ライト・ロッド・シリーズの一つで現在のアクション近い極めデリケートなモデルです。又、グレードの高さを示すナロー・バンド(細い飾りのラッピング)が施されたデラックスなモデルのロッドです。フェアリーと同じスライド式スクリュー・シートと、状態の大変綺麗な柾目のコルク・グリップの組み合わせがロッド全体の雰囲気を美しく見せてくれます。買い付け時の状態も80年程前のロッドとしてはかなり綺麗な状態を保っていました。更に当店の本職の手による軽微なレストアーを行ったのでかなり綺麗な外観になっています。

ロッド重量194グラム、バットのグリップ上端部の対面外径は約10mm、テイップのトップ・ガイド下端の外径約1.9mm、美しい柾目コル・グリップの全長は約16cm。ロング・ロッドやバンブー・ロッドに慣れた方にはこの長さと重量は殆ど気にならない軽快なシングル・ロッドとしてご愛用頂けると思われます。

3ピース・2テイップ、2本のテイップがショートの無い綺麗な状態で揃っています、今後も安心してメインのロッドとしてご愛用いただけます。当店の推測では1本のテイップのトップ・ガイドは交換された可能性が考えられます(2本のテイップ共に大変綺麗な状態ですので特注で1本だけが軽い通常の金属のトップ・ガイドが付けられた可能性もあるかもしれませんが)。

#4〜5ラインに適したアクション、渓流のドライ・フライをメインに合わせてウエットも楽しめる繊細かつ軽快なモデルです。中流域でも大いにロング・ロッドの利点が活かせる多目的なロッドです。もたつくような感じがなく、現在のアクションに近いデリケートなロッドなのでどなたかご使用になっても違和感を感じる事はないでしょう。

 

 

長さ16cmの握り心地の良い柾目コルク・グリップの状態が大変綺麗です。欠落や凹みは見られません。ロッドのアクションは現代のデザインに似てハーデイとしては非常にシャープで、日本の渓流の多目的ロッドとして最適です。ドライは勿論ですがウエットでも十分楽しむ事ができます。ライト・ロッド・モデル用のサクション・ジョイント・タイプのフェルールの差し込み状態も良好です。ロッドの基本的な状態もかなり良好でアクションも現代風なシャープなモデルです、コレクターの方にお勧めのロッドと思います。

当店お問い合わせ番号SA919。3ピース、2テイップ、汚れの見られない大変綺麗なハーデイ・オリジナル・ケース付、ロッドもこのケースも大変綺麗な状態なので一人のオーナーが大変丁寧に使用した事が推測できます。グレードは年代から考えるとかなり良好です。説明: http://www.sasanofly.com/antiqueimg/logo_antique/stars/45stars.gif説明: http://www.sasanofly.com/img/zeikomi.gif¥57,200(税別¥52,000)

 

ミドルの4か所のスネーク・ガイドを巻き直してあります。何故か4か所のスネークが外れておりその内2個所の取り付けられたロッドの一部の塗装が落とされていました。詳細にレストアーの本職に検査をさせましたが(力を掛けて曲げたりしながら)接着面の剥離やひび割れは見られないとの事で(バンブー素材の繊維の線が見えるが)ロッド全体に防水上塗りの塗装を施してからガイドを取り付けました。4個のスネークはハーデイの古いロッドから取って取り付けてあります。スレッドのカラーも出来る限り近い色に仕上げてあるので、他の部分との違和感は感じないと思います。

他のインター・ミデイエットのスレッドも数か所巻き直しを行い全てのラッピング部の塗装と全体の防水上塗りを行いました。オリジナルのハーデイのデラックス・モデルのグレードを保った大変綺麗なロッドになっていると思います。軽微な曲がり直しを行いました。

シートはフェアリー等と同じくスライドするスクリュー・シート,任意の位置にシートが固定できます。デリケートなロッドに似合うクラシックな作りながら十分の固定力が特徴です。

”イッチエン”のロゴを含めてすべが綺麗にオリジナルの状態で残っています。グレードの高い事を示すナロー・バンドと呼ばれるスレッドの巻きも綺麗に残っています。
ストリッピング・ガイドはハーデイ・オリジナルのクリヤー・メノウ・タイプです。他のガイドはデリケートなアクションを損ねないようにハーデイのブラック・スネークが付いています。尚、バット・セクションの左に微小な塗装の欠落が見られますが全体の防水上塗りを行っているので使用に支障はありません。
 

フェルールは軽快なロッドに適したサクソン・ジョイントが使用されている事からも、ハーデイのライト・ロッドの代表的なグレードの高いモデルと言えます。トップ・ガイドはハーデイのオリジナル・クリヤー・メノウが標準です。1本のテイップのトップ・ガイドは金属製が付けられています、後から交換された可能性が高いと推測しています(ライト・アクションを考慮して1本だけが特注であった可能性もありますが)。

ガイド巻き直しについて

瑕疵と言えるほどの問題ではありませんが、念の為にお知らせいたしておきます。矢印のミドルのスネーク・ガイドがスレッドが切れて外れていました。その周辺の塗装が落とされていました。

 

レストアーの本職の者が、万が一を考慮して力などを加えて接着面の剥離・割れなどの瑕疵が無いかを調査して問題がありませんでした。全体の防水上塗りを行い2つのスネーク・ガイドを巻き直してあります。目立つように光線を当てて撮影してありますのでこれ程目立たないかと思います。*ミドル部の他の2個を合わせて4個のスネークは古いハーデイから類似のガイドを取り外して取り付けてあります。

イッチェンの故郷

右のグーグル・マップを拡大していただくと美しいリバー・イッチェンの地図と写真をご覧いただけます。この名竿の生まれた川の風景をお楽しみください。

ロンドンから西に向かった港町のサウサンプトン周辺にはこのリバー・イッチェンや名竿と言われる”ホートン”由来のホートン・クラブのあるテスト川等多くの美しいサーモンとトラウトのフライの川があります。

 

1937年ハーデイ・アングラーズ・ガイド戴冠式バージョン

このロッドが作られた1943年から7年前のハーデイ・アングラーズ・ガイド戴冠式バージョンにはこの9’6”モデルが掲載されています。

 


01/25/2020
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