1949年ハーデイ・パラコナ・コケット13‘1−1/2“#9〜10メール 

 

コケットは当時としてはかなり斬新なデザインで作られたパワフルなスペイ・ロッドで、ヘビー・ロング・ラインを遠投するすることが出来るアクションです。トルクが高くかつパワーのあるアクションはコレクターに人気の高いステイール・センターのパラコナ・デザインから生み出されています。

コケット・サーモン・ロッドは大変珍しいモデルで1937年〜1957年の間、この一種類しか製造されていない特別のロッドです。このロッドはほぼオリジナルの状態を保った古い時代の凝った作りが残されたアンテイーク・ロッドです。ストリッピングにはニッケル・シルバー・リング付きの特殊タイプが付いています。このガイドはLRHサーモンとコケットなどにのみついています。

全てのフェルールのラッピングは古い時代の凝った造りのロッドらしくカパー・ワイヤーで巻かれています、特殊なストリッピングの片足もカパー・ワイヤーで巻かれています(ハーデイのスピニングの銘竿”ワンレス”と大口径メタル・ガイドとカパー・ワイヤー・ラッピングが同じ意匠です)。

このパワフルなコケットはテンパード(焼入り)・ステイール・センター仕様で耐久性とパワーを保持しながら大きな魚とのファイトを楽しむ事ができます。ステイール・センターは人気の仕様ですが現在ではかなり入手が難しくなっています。尚、このロッドには殆どオリジナル状態で残っている手書きのロゴに””Steel Center"の文字が残っています。

ロッド自重約640グラム。グリップの全長はハード・スペイ・ロッドらしく約60cm、最も太い部分のコルク外径は約26mmです。グリップ・上端部のブランクの対面外径は約15mm、トップ・ガイド下の対面外径は約3mm。

3ピース、2テイップ、布ケースはハーデイ製ではありませんがハーデイのフェルール・キャップが2個付いています。当店お問い合わせ番号SA959
70年前の貴重なアンテイーク、かなり良好な状態です(下記の注意をご覧ください)。 ¥51,700(税別¥47,000)

使用頻度は一般的なアンテイーク・スペイ・ロッドと同じですが、全てのパーツ類やラッピングはほぼオリジナル状態を保ったかなり貴重なモデルです。

英国のオーナーがロッド全体の防水上塗りを施したようで、しばしばこのような場合上塗りされた塗料が弾かれ若干の微小な丸い塗り斑が見られます(殆どの斑点には下塗りがあるので使用上は支障はありません、又一見してその痕跡はそれ程目立たないと思います)。エポキシ塗料を筆で塗って防水力を保持しています。

加えてインター・ミデイエット部分を除いた(一部は塗装を行いました)全てのラッピング部の防水上塗りを行いました。微小な曲がり直して行ってあります。

 

各パーツやラッピングはほぼオリジナルと推定される大変貴重なアンテイーク・ロッドです。グリップにも目立つような欠落は見られません、これからも長くご愛用いただけると思います。

珍しい事にロゴマークが全てオリジナル状態で残っています。ロッド名の”コケット”、ハーデイ独特の仕様である”パラコナ”と”ステイール・センター”の文字が見られます。グリップ先端部にスコップ上の凹みが見られますが英国のフライ・フィッシャーマンの多くの癖でフライをこの位置に引っかえて移動します。アンテイーク・ロッドにはしばしば見られる傷ですが、使用上支障はありません。

ストリッピング・ガイドがかなり特殊でハーデイのニッケル・シルバー・リング付きの大口径ガイド。ハーデイのアンテイーク・リールのライン・ガードなどにも使用されているものと同じ材質です。片足がカパー・ワイヤーで巻かれています。 ラッピングやパーツ類がほゞオリジナルの状態を保った大変珍しいモデルです。

このガイドと片足がカパー・ワイヤーで巻かれた仕様は、ハーデイ・スピニング・ロッドの傑作と言われるワンレスと同じ意匠で驚かされる特異なデザインです。

パラコナ仕様のバンブーはトルクの高いパワーを生み出すステイール・センターです。このコケットは右上図の仕様のシングル・ビルドのロッドだと思われます。

フェール・キャップが付いています。フェルールの状態もかなり綺麗でカパー・ワイヤーの断裂なども見られません。

当店の推定ですが、当時のオーナーはシーズン・オフに表面塗装等の問題からハーデイで定期的なメンテナンスを行う例が多かったと聞いています。ロック・ファースト・フェルールにガタツキや緩みが感じられずしっかりと差し込まれます。

下記の特殊な仕様のご説明でも記載した如く、特注や定期的なハーデイでのメンテナンス等の可能性を推定したのはクリヤー・メノウ・ガイドにヘヤー・ラインが見られず(私の目視した限りでは)大変状態が良好な上にサイズが僅かに異なっています。つまり二つの異なる外径のラインに対応したとも推定出来ます。

特殊な仕様に付いて

 

テイップ部分の画像の如く、バットが約75mm程ミドルより短くなっている不思議なデザインです。ショートも考えましたが、ロッドの各セクションの一体性に違和感が感じられません。例えレストアーされたとしてもハーデイで行われたと思われる一体性が感じられますが、全長を計測するとアングラーズ・ガイド表記の通りの13フィート1-1/2”で全体の長さは説明と合致しています。バットがミドルと同じ長さであったとしたら約3”程長くなるので凡そ13’6”に近くなります。

以上の事から、下記1951年のハーデイ・アングラーズ・ガイド時代より古い1949年のモデルはこのような意匠であったのか、古い時代にしばしば目にする特注で作られた可能性もあると推定しました。以上の事からバットが短い事は瑕疵ではないと推定しています。ミドルのフェルール・キャップは後から手当したか、バットが特注だとする(その場合はミドルとテイップが長く作られている事になりますが)と通常のキャップが合わなかったという可能性も考えられます。

1951年ハーデイ・アングラーズ・ガイド

 
 

08/29/2021

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