1905年ハーデイ・ホートン・9‘6”#4〜6メール

バンブー・ロッド・チューブは画像では曲がって見えますが実際は真っ直ぐです。

豪華な仕様の外観・アクション・由来がすべて素晴らしく、加えて大変美しいハーデイの100年以上を経たアンテイーク・フライ・ロッドです。ロンドンから西に向かうとテスト川がありますが、そこに所在するクラブ、名門ホートン・クラブから命名されたロッドです。あのキャステイングの名手J.J.ハーデイがテスト川を訪れて開発したフライ・ロッドです。由来と言いアクションと言いハーデイの名竿の一つと言えます。

ホートンには若干硬めのモデルの”クラウン・ホートン”がありますが、このモデルはデリケートなアクションのホートンです(サーモンも疎遡上するテスト川なのでもちろん大きなレインボー・トラウトなどにも対応しています)。正に当時の特殊な人々の為の贅を尽くしたアンテイーク・ロッドの逸品としてコレクターの間では格別のモデルと考えられているようです。見れば見る程その奥深いロッドの持つ雰囲気に魅せられるのがホートンです。

このロッドの状態は100年以上経たにも拘わらず、1個のトップ・ガイドが取れている以外はほぼ完全にオリジナルの状態を保っていた大変貴重なモデルでした。当店の専門家により全てのラッピングを巻き直したフル・レストアーが施されています。1本のテイップのメノウ・ガイドが取れていたので類似のモデルを取り付けてあります。又、豪華なバンブー・テイップ・ケースにひび割れが見られたので接着剤を入れて直してあります。多分これらのレストアーはそれ程外観からは分からないと思われます。フル・レストアーされた現在の状態は極めて良好です。

ホートンの凝った作りの一例ですが、例えば下端部には一見するとウッドとブラスを組み合わせたバット・エンドが付いているように見えます。所がこのねじは無垢材のブラスを加工してネジを切り、外側をブラウンに彩色してあり、その凝った作りに驚かされます。更にネジを取りはずすと内部にはブラスのスピアーが収められています。知らずにエンドを回した方はその手の込んだ作りに驚かされる事でしょう。

ロッド重量は約240グラム、ロッドを振ると9‘6“のロング・ロッドであることが信じられないほど軽い事に驚かされます。#3ラインでも振れるデリケートなアクション、経年によるロッドの張りは失われていません。一般的には#4〜5をメインに#3と#6も使用出来るモデルと言えます。渓流から、中流域まで、下記のハーデイ・アングラーズ・ガイド1929年によれば中小湖水まで、多目的での使用が可能です。当時のバンブー素材(かなりの確率でカルカッタ・ケーンと推測されますが)の素晴らしさと、優れた職人の腕から生まれた美しいロッドです。軽快な張りのあるアクションは何故かモダンなロッドに似ていると錯覚しそうですが、秘められた更に奥深いデザインを見つけ出すにはこのロッドを使い込む事が求められそうです。

バンブー・ロッドに馴れた方ならそれ程目方を意識しないでキャステイングを楽しむ事が出来るでしょう。尚、当店のスピアー用エクステンションが取り付け可能ですのでセミ・ダブルとしてもご使用になれます。

本流や中流域でのドライやウエットから、このデリケートなアクションは渓流でのドライにも大変効果的な事はテンカラでの釣り方からお分かりいただけると思います。3ピース、2テイップ、アンテイーク・ロッドの仕様として大変人気の高い美しいブラス製のスピアーが付いています。ハーデイのロゴ・マーク付オリジナル・布ケースに入っています。

ロッド重量約240グラム、シート一体式柾目コルク・グリップの全長約29cm、バット・セクションのグリップ上端部の対面外径約9.5mm、テイップのトップ・ガイド下の対面外径約1.9mmです。3ピース、2テイップ、ハーデイ・布ケース付。豪華なバンブーのテイップ・ケースが付いています。当店お問い合わせ番号SA972。グレードは説明: http://www.sasanofly.com/antiqueimg/logo_antique/stars/45stars.gif説明: http://www.sasanofly.com/img/zeikomi.gif82,500(税別¥75,000)

英国より到着したばかりの100年以上の歴史あるこのホートンは、一見して極めて状態が良好でオリジナルをほぼ完全に保っていました。レスアーの程度をどうするか検討した結果ほぼ完璧なオリジナルを保った良い状態だったことから、今後の使用を考慮して、ほゞ全てのラッピングを巻き直しフル・レストアーを行ってあります。

ロッド全体の微小な曲がり直しも行っています。貴重で美しいアンテイークの為にオリジナリテイーを損なわないよう細心の注意を払って作業を行っていますので、修理箇所の識別は難しいと思われます。ただ一つ取れていたメノウ・トップ・ガイドは類似のガイドを取り付けてあります。若干のガイドの錆びを落としてあります。

長さが約29cmの柾目コルクの一体式コルク・グリップの状態は非常に良好と言えます。欠落やひびなどは見られません。シートの稼働幅は約10cmのスペースがあるので古い時代のブラス・フットのリールも固定できます。

シート下端のリテイナーとエンド・キャップの間には約3cm程のスペースがあるのでセミ・ダブル・ハンドとしての使用が可能です。

オリジナルの布ケースにはこのホートンが特殊なモデルである事の印であると推測される"Gold Medal Brande"のロゴが刺繍されています。 極めて豪華なパーツや作りが見てとれます。古い時代の”ロッド・イン・ハンド”のロゴも見られます。

ハーデイのロゴ・マークが全て綺麗に残っています。”PALACONA”のロゴがゴム印で押されているように見えます。残存する本数が少ないために断定は出来ませんが、1900年代初期の古いロッドにはこのゴム印のロゴが使用されていると推測されます。

古い時代のロッドの特徴ですがブランクの角がかなり丸くなっています。フル・レストアーが施されたブランクの表面も大変綺麗な状態です。インターミデイエット・ラップ部分の巻きの間隔が極めて狭くロッドの完成度の高さを示し、美しささえ感じるロッドです(当店の専門家により巻き直しが行われています)。ストリッピング・ガイドはクリヤーのメノウガイド、他の部分はハーデイ・オリジナルのブリッジ・リング・ガイドです。

機能性の高いロック・ファースト・フェルールが使用されています。経年による摩耗等は見られず確りと差し込まれがたつきなどは見られません。トップ・ガイドは軽量タイプのハーデイ・メノウ・ガイドが付いています。尚、画像の下のトップ・ガイドはただ一つオリジナルではありません。紛失していたので類似のメノウ・ガイドを取り付けてあります。

下端部をそろえて撮影していますがミドルが約7mm程長くなっています。一体感のあるロッドですので修理等は考えられません。何らかの理由があったと思われますが現時点では不明です。

スピアーとエクステンション
アンテイーク・ロッドらしいブラス製のスピアーが付いています。サイズは約13mmx59mm。
当店の各種スピアー用エクステンションを取り付ける事でダブル・ハンド・ロッドとしての仕様が可能です。
当店の各種スピアー用エクステンションには幾つかの形状やアクセサリーがあるので、シングル・ハンドのみならず存分にダブル・ハンドのキャステイングをお楽しみいただけます。
1929年ハーデイ・アングラーズ・ガイド

このロッドが製作された14年後の1929年・ハーデイ・アングラーズ・ガイドには同じロッドが掲載されています。1903年から1969年まで製造された”クラウン・ホートン”とは異なるモデルです。

ホートン・シリーズ中最も短いロッドであることが分かります。又、ホートンはど”ドライ・フライ”の別称を加えて当時は販売されていたようです。

 


10/23/2021
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