1905年ハーデイ・ポープ・ドライ・フライ・ロッド10‘#5〜6メール

ハーデイの中ではパーフェクションから派生した軽快な2ピース・ドライ・アクション・モデル、現在の意味とは異なるようで、フライをポイントに正確かつ静かに投げられる事を意味していると推測されます。

一般的に知るポープはアクションはかなり重厚で、現在では本流や湖での釣りに適したシングル・ハンド・ロッドといえます。長さが生み出す強力なトルクで、大型のフライでもスムースに遠投し静かに着水させることが出来るようなアクションのロング・ロッドとして人気モデルの一つです。

因みにポープは1899から1970年まで作られた人気モデルです。このロッドはかなり特異で、まず1905年製でほぼ全ての付属品が揃っているグレードの高いアンテイークである事に驚かされます。当時のフライ・フィッシャマンは特殊な階級の人々が多かった事からかなり贅沢な仕様がしばしば見られますがこのロッドも木製のロッド・ケースが布状の紐が綺麗に残って付属しています。

下端部にはスピアーが付いていますが、ブラス製のシート・リテイナーとは異なるシルバー・カラーのネジが付いています。当時のハーデイではこのような不釣り合いは極めて稀な事です。この時代の資料が無いので正確には分かりませんが、造りがしっかりしている事からハーデイの特注ではないかとも考えられます。

スピアー部には当店特製のハーデイ・スピアー用エクステンションが取り付ける事が可能です。ダブル・ハンドとしての使用も可能です。

アクションも当店で知る#6〜7用の”ポープ”よりかなりデリケートで#5をメインに#5〜6、#4でも対応できると思われます。カルカッタ・ケーン製の軽快な多目的モデルとして、渓流から中流域、中小湖水域まで対応できる万能ロッドといえます。ロング・ロッドながらバンブー愛好家の方ならそれ程苦にならずにシングル・ハンドとしての使用が可能だと思われます。一体式グリップ下端部のスペースを保持する事でセミ・ダブルとしての私用も可能です。

一人のオーナーが使用したと思われる状態の良好なロッドですが、後年揃えたとキャンバスとレーザー製の英国製ロッド・ケースが付いています。内径約60mmx166cm。1960年代のものかと思われます。

特殊なロッドとしてコレクターに人気の高いホートンに似た狭い間隔で巻かれたインター・ミデイットがグレードの高いアンテイーク・ロッドらしい雰囲気を醸し出す美しいロッドです。

ロッド重量約220グラム、一体式グリップの全長は約30cm。グリップ上端部のロッド対面外径は約9.5mm、トップ・ガイド下のロッド対面外径は約2.4mm。トップ・ガイドはハーデイ・オリジナルのクリヤー・メノウ・ガイドです。2ピース、1テップ、一人のオーナーがかなり丁寧に使用されたようで状態はかなり良好でオリジナルを保っています。特異なスピアーが付いています。古い時代のハーデイ・オリジナル・ウッド・ケースがラベル付きで残されています。更にそのケースを収納する英国製キャンバス&レザー製のロッド・ケースも揃っています。フェルール・キャップ付き。当店お問い合わせ番号SA989。グレードは説明: http://www.sasanofly.com/antiqueimg/logo_antique/stars/45stars.gif説明: http://www.sasanofly.com/img/zeikomi.gif57,200(税別¥52,000)

 

保存状態が良かったので殆どオリジナル状態が保たれています。今後の使用を考慮してインター・ミデイエット部分を除いた全てのラッピング部の防水上塗りを行いました。トップ・ガイド以外は全てブリッジ・リング・ガイドが取り付けられていました、一番手前のガイドのスレッドがほつれて居たので巻き直しを行いました。また、フック・キーパーのリングが取れていたのでスレッドの巻き直しを行いリングは類似品取りつけました。軽微な曲がり直しを行いました。

 

古い時代の柾目コルク・グリップの状態はかなり良好で、コルクの欠落は認められません。リング・シート下端部に若干のスペースが生じます、その部分に指を添えて軽いダブルにも使用できます。

古い時代の凝った造りらしく重厚なブラス製リング・シートが取り付けられています。

前部の説明でお書きしたようにハーデイとしては、特に当時のハーデイとしては、かなり特異なスピアーが取り付けられています。造りは極めて丁寧なので特注の可能性を推測しています。シートの状態も良好です。

フェルールはデラックスなピン付きのロック・ファースト・フェルールが付いています。

ハーデイのロゴ・マーク全て綺麗に残っています。かなり丁寧な使用がされたと推測されます。不思議に思う事ですが古い時代のロッドにはしばしば手書きのロゴではなくスタンプが押されている例を目にします。このロッドもスタンプで”PALAKONA”押されています。

ブランクは大変綺麗な状態で大きな傷やスレッドの断裂などは見られません(このブリッジ・リング・ガイド以外)。一人のオーナーが持っていたロッドと推測されます。この最下端のストリッピングもブリッジ・リング・ガイドが取り付けられていました。

フェルールの差し込みにがたつきは見られません。トップ・ガイドはクリヤー・メノウ、フェルール・キャップが付いています。フェルール・キャップ付き、丁寧な使用が推定できる根拠の一つです。オリジナルのハーデイ・ウッド・ケースが付いていますが信じがたい事ですが、100年以上経て3本の布製止め紐が完全に残されています。また、シールも、文字は殆ど判読できませんが、綺麗に残されています。

 


12/28/2021
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