1970年代・ハーデイ・ファイバライト・グラス・Jetセット・9‘#7メール

ハーデイ・ファイバライト・シリーズは現在でも完成度の高い当時のデザインからアンテイーク・ロッド愛好者の方には人気の高いグラス・ロッドシリーズです。

ハーデイ・グラス・フライ・ロッドは軽くデリケートなアクションと丁寧で凝った作りから、素材がグラファイトに切り替わった現在でも高い人気を呼んでいます。その中でも初期の白いスピゴット・フェルール仕様のJetセット・モデルは日本のフライ・フィッシャマンが好まれるソフトでデリケートなアクションから特にコレクターに好まれているシリーズです。ライン表示は#7ですが現在のナイロン・ラインでは#7をメインに#6〜7が適していると思います。渓流・本流でのドライからウエットまで幅広く快適に使用できる多目的ロッドです。

魚に違和感を与えないグラス独特のデリケートなアクションはウエットには特に効果的、ドライでもリーダー切れを防いでくれます。機能のみならず細部にわたって手を抜かない仕上げがコレクターの心を惹きつけるようです。

このモデルは1970年代初めのロッドと推測されます。ハンブーからグラスへとまさに切り替わる時代、ハーデイにも多くのバンブー職人が残っており、伝統の丁寧で凝った作りでアメリカから渡来した新しい素材のグラス・ロッドを製造していました。パーツ類もバンブー用の物が多く使用されていますので後世のグラスに比べて重厚な作りが特徴で、コレクターの間では好まれる仕様が数多く見られます。

ロッド重量約139グラム、実際の目方以上に軽く感じると思います。フルウエル・グリップの全長は約18cm、グリップ上端のブランクの外径は約13mm、トップ・ガイド下の外径は2mmです。

当店オリジナルのイングリッシュ・エクステンションを取り付ける事が可能です。現況では差し込めるネジの深さはラバー・エンドの真鍮製スクリューの長さとほぼ同じ約9mm程度です、調整するともう少し入る可能性がありますが確かではありません。

機能としてのロッドの状態に問題は見られませんが、保存状態が悪かったらしくテイップとバットの一つの縦方向に塗装の微小な剥離が点々と見られます。バットは限定的ですがテイップはかなり剥離が多く見られます。親子2代に渡っても支障なく使用できる完成度の高いハーデイ製品の特徴をご存知の方にお勧めのグラス・ロッドです。塗装面の瑕疵に付いては下記をご覧ください。

2ピース、1テイップ、ハーデイ布ケース付。当店お問い合わせ番号 SA1004¥18,700(税別¥17,000)

テイップ・セクション部を中心に保存状態が悪かったことが原因で塗装面の微小な剥離がかなり多く見られました。多くが塗り重ねた最上面でブランクの地が見える程ではないので、当店で剥離部分のロッドの防水上塗りを行いました。ラッピングの防水上塗りも行ってあります。

未だ、販売時のプラステイック・カバーが付いたグリップの状態もかなり良好で欠落などは見られません。カバーを外して清掃する事も考えましたが当時の雰囲気を残すオリジナル状態のままにしてあります。

シートもバンブー・ロッド用のモデルと同類のデラックス・タイプが取り付けられています。取り外し式のラバー・エンドも付いています。

”JET”と記入された当時のハーデイのロゴが綺麗に残っています。この時代のシールは落ちやすくこれだけ残っているのは良い状態と言えます。当店の推測では使用頻度はそれ程多くは無かったと思われます。保存状態の悪さが塗装面等の瑕疵の原因ではないかと推測しています。フック・キーパーはバンブーと同じ古い時代のリング・タイプが付いています。

ブランクの塗装面に小さな表面塗装の剥離が見られます。

ストリッピング・ガイドもバンブーと同じハーデイ・オリジナルの古い時代のセラミック・ガイドが取り付けられています。全てのラッピング部分は念の為に防水上塗りを行ってあります。ラッピング部のスレッドの強度と防水力が高まっていますので、これからも長くご使用になれます。

人気のホワイト・カラーのスピゴット・フェルールの差し込みは良好です。
 
塗装面の瑕疵に付いて

当店でロッド剥離部分を中心に広い部分の防水上塗りを行ってありますのでかなり目立たなくなっていますが、保管時の管理の不備が原因と思われる表面の塗装の微小な剥離が見られます。特にテイップ・セクションに多く見られます。今後の使用には格別の支障は考えられません。

浮き上がった剥離の多くは小さく、多くが表面部で内部の塗りは残っています(一部はブランクが見えますが)。 ハーデイ・アンテイークに詳しいお客様にお勧めのモデルです。

バット・フェルール下の微小な点々の剥離面と、バット部一番ガイド下の線状の剥離です。トップガイド下のテイップ・セクションにも見られますが、それ程目立ちません。

バット一番ガイド下の線状の剥離を拡大してみました。
テイップ・セクションの2番ガイド下の剥離部分です。バットにも見られますが画像では見られません。
テイップ・セクションの4番目下の剥離です。この下部にも剥離が見られます。バットには目立つ程の剥離面は見られません。
 
 
01/12/2024
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