1954年ハーデイ・ワイ・12‘6”#7〜8メール

ハーデイ・ダブル・ハンド・モデルの中でも人気の高いスペイ・ロッド・シリーズがこのワイです。まさにこのロッドが作られた1954年のハーデイ・アングラーズ・ガイドによれば当時のワイには11’のシングルとダブル兼用モデル、ダブル・ハンド専用は12‘6”と13’6“の2つのモデルの合計3つのモデルがありました。

その中でも日本のキャスターに人気の高い12‘6“はビッグ・パワーのスペイ・ロッド、本流や湖での遠投と大型魚を目指すキャスターにお勧めのモデルです。ハーデイの作ったデリケートなアクションが特徴のアーサー・ウッド、パワフルでシャープなワイは共にスペイ・ロッドの傑作と言われて居る人気のモデルです。

このロッドはかなり良好な外観等から見て英国に於いてプロによると思われるレストアーを行い愛用されていたロッドと推定されます。70年前のロッドなのでレストアーを行わずに使用するとロッドの傷みが更に酷くなるので、オリジナリテイーを多少損なってもレストアーされたアンテイークは今後のご使用に対しては長所でもあります。

瑕疵としては2本のテイップの内、1本が約43mmショートしています。テーパー等から考えてテイップ下端部がショートしたと思われるのでロッドのアクションに支障を来すような影響はないと思われます。テイップの先端とは異なり下端部なのでキャステイングや実際の釣りに格別の支障は感じられません。この状態で英国で長く愛用されていることもあり今後のご使用にも問題はないと思われます。

長年の使用でフェルールに微小な摩耗が見られます。当店で差し込み部の調整を行いましたが、注意しないと気づかない程度の摩耗部の振動が手に伝わる場合があるかもしれませんが使用には支障はありません。英国ではワックスを塗って直す程度の摩耗で、アンテイーク・ロッドでは程度の差こそあれしばしば見られる状態です。フェルールとブランク接着面のガタツキではない事、今後の長い使用を考慮して全てのフェルールのラッピング部の巻き直し・塗装作業を行いました。当店で50回フォルス・キャストを行いましたがガタツキ等は前もって分かっていなければ気付かない程度と思われます。

このワイは英国でのレストアーが施された事もありかなり良好な状態の3ピース、2テイップモデルです。更に当店でのレストアーも加わり丁寧なご使用を心がけていただければこれからも長くお使いいただけます。

一般的に日本では、バンブーのダブル・ハンドは12’〜13’が好まれますのでこのモデルは最も人気の高いお勧めのサイズになります。ロッド自重約500グラム。ラバー・エンドまでのグリップの全長は約60センチ、コルクの最大外径は約28mmです。ブランクのグリップ上部の対面外径は約12.1cm、トップ・ガイド下の対面外径は約2.9mmです。 ラインは#7〜8がメインで#9もご使用になることが可能です。

ガイドはオープン・フレーム・ガイドでトップとストリッピングはハーデイのクリヤー・メノウの組み合わせ、オリジナル布ケース付。オリジナル・フェルール・キャップが2個揃っています、状態は年代から考えるとかなり良好と言えます。 当店お問い合わせ番号SA997。グレードは説明: http://www.sasanofly.com/antiqueimg/logo_antique/stars/45stars.gif説明: http://www.sasanofly.com/img/zeikomi.gif69,300(税別¥63,000)

英国でもレストアーが行われ、当店でも更に細部に手を入れてあるので現状のロッドの状態はかなり良好です。 これからも長くご使用が可能な事からオリジナリテイーを損なわないようなレストアーを行いました。

全てのフェルールのラッピング部の巻き直し・接着の補強・塗装作業を行いました。フェルールの差し込み調整を行ってあります。インター・ミデイエットを除いたガイド部の防水上塗りを行いました。メノウ・ストリッピングのフレーム接合部の溶接補強を行いラッピングを巻きなおしてあります。一部のインター・ミデイエット・ラップの巻き直しも行いロッドの微小な曲がり直しを行いました。尚これらのレストアーは外観からは識別しにくいかもしれません。

ラバー・エンド下端部までの全長約61mm、最大外径約26mmのコルク・グリップの状態はかなり良好と言えます。目立つほどのコルクの欠落や穴などは見られません。

前のオーナーの使い方が丁寧であったようでコルク部に目立つ程の摩耗が見られません、スライド式スクリュー・ロック・シートは確りとリール・フットを固定できます。上部のスライド・ロック・タイプ・シートの可動域は約15cm、古い時代の長いブラス・フットのリールも通常は取り付け可能です。

画像下端の1本のテイップの下端部が約45mmショートしています、 分かりやすいように2本のテイップの先端を揃えて写してあります。

ハーデイのロゴ・マークが全て綺麗に残っています。ハーデイの手書きのオリジナル・ロゴ部のブランク・カラーが本来のブランクの色で、他の部分は英国に於いて全塗装のレストアーが行われたと推定されます。その際、ロゴは貴重なハーデイ製の印なので残したと思われます。

ロッド・ブランクに大きな傷や塗料の剥離、スレッドの断裂は見られません。ハーデイ・オリジナルのメノウ・ストリッピング・ガイドのフレーム溶接部の補強とラッピングの巻き直しを行っています。ロッドの綺麗な状態からこのロッドのオーナーがかなり丁寧に使用したことが分かります。

フェルールはスペイ・キャストでもロッドが抜けないロック・ファースト・タイプです。フェルールのラッピング部分は、英国でレストアーが行われた思われますが、当店では更に全てのフェルールのラッピングを巻き直してあります。

ガイド・ラッピングの防水上塗りを行いフェルール差し込みの調整を行いました。2個のフェルール・キャップが付いています。この事からも前のオーナーが丁寧に使用した事が推測されます。トップのメノウ・ガイドはオリジナルの状態です。1本のテイップのメノウに目立たない程度の2本のヘヤー・ラインが見られますが一般的に通常の使用には問題はありません。

1954年ハーデイ・アングラーズ・ガイド

このロッドが作られたまさに1954年のアングラーズ・ガイドです。上段がLRHで下段にワイの説明があります。このモデルはここに掲載のロッドです。

この年代ごろからハーデイの生産体制が第二次世界大戦の影響から抜け出し、数量も増加し優れた品質のロッドが作られるようになりました。

 

 


07/23/2023
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