ロッドのロゴが書かれた部分が５回巻かれたインター・ミデイエット・ラップ作業で消えている為、ハーデイのモデル名が確認できません。シート部分に刻まれたステイール・センター仕様と年代等から１８９２年から１９５７年まで作られていたゴールド・メダルと推測されます。当店のこのページでのロッドの説明はゴールド・メダルとして書かれています（ほぼ間違いないと推定出来そうですが違っている場合もありますことをご高配ください）。

ゴールド・メダルはデラックスな仕様のハーデイを代表する多目的バンブー・ロッドの一つ、アクションはハーデイの中ではライト・モデルに属します。このロッドは３ピース、１テイップ、ロッド重量約３３０グラム。

当時のゴールド・メダルは一般的にデラックスなスチール・センター仕様の場合はダブル・ビルドが通常の仕様です。このロッドはハーデイ・バンブー・ロッドの愛好家の方に非常に人気の高いステイール・センターとダブル・ビルド仕様（ほぼ間違いないと思われます）と推定されます。ゴールド・メダル独特の軽快でデリケートなロッドは現在のアクションに近いと言えます。加えてこの製造年代から軽やかなアクションを生み出すと言われてるカルカッタ・ケーンが使用されていると推定されます。

グリップも１９００年代初期のごく僅かな期間だけ使用されたアンテイークらしい雰囲気の美しい柾目コルク、長さは約３９センチ、最大外径約２５ミリ。尚、ラバー・エンドを取り外すと当店オリジナルのハーデイ用エクステンションが１０ｍｍ程入りますが、完全にねじ込む事をご希望の場合は有料になりますがネジの切り直しを行う事で可能の場合もありますのでお尋ねください。

トップとストリッピングはハーデイのクリヤー・メノウが使用されています。

全体のアクションは現在の繊細な渓流用ロッドを思わせるデリケートでバランスの良さを感じます。加えてステイール・センターの生み出す粘りの強いパワーが隠し味のように良い手応えを感じさせてくれます。＃４〜５をメインに＃３〜＃６程度まで対応できると思われます。この軽さとデリケートなアクションならロング・ロッドに慣れた方ならシングル・ハンドでのキャステイングを楽しむ事が出来るでしょう。長い柾目コルク・グリップがセットされているのでセミ・ダブルでのキャステイングにも対応できるので中流域や本流での釣りを存分に堪能できるロッドと言えます。

布ケースはハーデイのオリジナルではありません。ロッドの状態は１００年以上のアンテイークとしては一般的な状態です。英国でのレストアー等を考慮して貴重なモデルながらお買い得な価格に設定されています。アンテイーク・ロッド愛好者の方にお勧めのモデルです。当店お問い合わせ番号ＳＡ１０１３。　３ピース、１テイップ 。グレードは￥４２，９００（税別￥３９，０００）

英国のオーナー自身か又はセミ・プロの人がグリップ先端からメノウ・ストリッピング上部までの一部のブランク接着面の修正とインター・ミデイエット（１３か所）の巻き直しを行っています。大変貴重なロッドなので今後のご使用を考慮して当店でも追加の�@�A�Bのレストアーを行いました。

�@バット部のメス・フェルールの脱着・巻き直しを行いました。更にストリッピング・ガイドを巻き直して、ブリッジ・リング・ガイドの片側のフットの巻き直しをも行いました。�Aミドル部は６か所程のインター・ミデイエットの巻直しと３個のブリッジ・リングの片側の足の巻き直しも行ってあります。�Bロッドの全塗装（特に英国でのレストアー部を念入りに）と全てのラッピングの防水上塗り、曲がり直しも行ってあります。尚、表面の塗装もオリジナルの雰囲気にあわせて同類の塗料を使用しているので、暫くの間手に粘り気を感じるかもしれませんが使用上支障はありません。

バット部分は、一部接着面の修正の為にグリップ先端からストリッピング・ガイド上部までの１３か所程のインター・ミデイエットの巻き直しが行われています。ロゴ部分も５か所程のインター・ミデイエット・ラップが巻かれています。当店で全塗装を行いました、塗装の関係で古い時代のハーデイと同じく少し表面にしっとり感が残りますが使用や機能に支障はありません。

トップのクリヤー・メノウ・ガイドの左右に微小なヘヤー・ライン・クラックが見られます。使用上格別の支障は見られませんが念の為に拡大画像でお知らせ申し上げます。万が一不都合が生じても交換はそれ程難しい作業ではありません。

１９０３年当時のデータがありませんので約３０年後のアングラーズ・ガイドを参照に致しております。仕様等の大きな変化は見られませんが後年になると１１’６”モデルは製造されていない事が分かります。