1902年ハーデイ・ゴールド・メダル・ステイール・リブド仕様9 ’6”#4〜5メール 

このハーデイ・ゴールド・メダルのステイール・リブド仕様タイプは当店でも初めて目にする極めて貴重なモデルです。ハーデイにこの仕様のロッドが有った事を初めて知りました。古い時代のハーデイに時折見られる特別注文のロッドの可能性も考えられます。由来に関する説明には当店の得た情報からの推測が含まれています。

ロッドのメタル部分にはハーデイのオリジナル・ロゴが通常通り刻まれており、付属のハーデイ・オリジナル・ロッド・ケースの写真のロゴ部分には古い時代の”ロッド・イン・ハンド”が刺繍されています。このロゴの右に記されたロッドのモデル名も”ゴールド・メダル”、シリアル・ナンバーもシートに刻まれた番号と同じです。これらの情報からハーデイのオリジナル・ケースに入れられたハーデイの1902年に作られたゴールドメダル・ロッドである事が確認できます。

このモデルはまさに手間暇をかけて優れたロッドを作ると言う見本のようなモデルです。”ステイール・リブド”仕様と言われるこの作りは同時代の英国”フォスター社”のパテントで、細いフラットワイヤーで網目状にバンブー・ブランクの表面を巻いて強度とパワーを生み出すアイデアです。 この手の込んだ網目状のワイヤーは一度外すと改修が難しい程複雑に組み合わせて作られています。尚、ステイール・リブド仕様は形状から”ダイヤモンド・ラッピング”や”ラテイス”と呼ばれる場合もあるようでが今回は当時のフォスターのカタログに記載されている”ステイール・リブド”の表記を使用しました。

このステイール・リブド仕様はこの時代ハーデイなどに匹敵するグレードのロッドを製作していたフォスターの特許でした。フォスターは1833年から1960年代まで操業をしていた良質なフライ用品のメーカーとして、ハーデイに匹敵する高い評価を得ていました。現在でもその良心的な作りが特徴のフォスターのロッドは、オークションでもアンテイークに詳しい人達に人気の高いメーカーの一つです。残念な事に1960年代にその仕事を閉じてしまいました。幾多のパテントを有し優れたフライ用品を作り出したイギリスの名門メーカー、今でもそのアクションやデザインを好まれる方が少なくありません。

このロッドのステイール・リブド仕様の下にはこの”フォスター”のロゴが書かれていることが確認できます。当店でもステイール・リブド仕様のフォスターのロッドを販売したことはありますが、ハーデイのロッドでは初めての事になります。

これらの事から考えられることは、ハーデイで完成させたゴールドメダルの上からフォスターに於いてステイール・リブド仕様のワイヤーで巻かれたロッドと推定されます。当店でもハーデイのステイール・リブド仕様のロッドを今まで目にした事が無い事と合わせて、これほど手間のかかる作りから当時、多くが特別の人達であった英国のフライ・フィッシング愛好家の特注の可能性も考えられます。

ハーデイが完成したゴールドメダルをハーデイがフォスターに依頼してパテントのステイール・リブド仕様を施したと思われます。そしてハーデイが自社のロッドとして販売したと推定できそうです。又このロッドは特注モデルの可能性も妥当な推測だと思っています。可能性としてロッドのオーナー自身が完成したゴールドメダルを歩スターに依頼した可能性も考えられますが、果たして専門的な知識なしに出来るかと言う疑問が残ります。由来には幾つかの可能性が考えられますが、極めて貴重な仕様や良質な仕上がりからハーデイのアンテイークを愛好される方にお勧めのロッドです。

アクションはゴールド・メダルそのもので非常にデリケートで#4をメインに#3〜#6にも対応できるロッドになっています。金属のワイヤーを巻き込んだ違和感は全く感じないと思います。100年以上経た現在でも輝きを失わない素材はニッケル・シルバーや錫等の合金と思われますが、フォスターの目論見は現在に至るまでこのロッドのアクションの中に脈々と生き続けています。日本のフライ・フィッシャマンのお好みに合ったモデルと言えます。

ロッド自重は約260グラム、グリップ上端部のロッドの対面外径は約10.4mm、トップ・ガイド下部の対面外径は約2.4mmです。このデリケートで軽いロッドはハーデイのロング・ロッドを使い慣れた方ならシングルで問題なくキャステイングをお楽しみいただけると思います。長いグリップが付いているので時折セミ・ダブルとしてもお楽しみいただけるでしょう。この年代のハーデイのロッドはカルカッタ・ケーンで作られていたと思われますので、このゴールド・メダルの現在のモデルに似た軽さやデリケートなアクションが生み出されているので多くの方に好まれるロッドと言えます。

渓流をメインに中流域でもご使用になれる万能モデルです。 ロッドの状態はかなり良好で取り付けられているパーツ類は全てハーデイ・オリジナルのものです。ロッド使用上の機能に問題は見られません、100年の年月から考えるとかなり良い状態のアンテイークと言えます。ハーデイのオリジナル布ケース付き。

1900年代のロッドとしては珍しい事にオリジナルのエクストラ・テイップとオリジナル・ケースが付属しているモデルです。更にオリジナル・フェルール・キャップが2個共付いている貴重なアンテイークです。当店お問い合わせ番号SA1020。 グレードは \52,800(税別\48,000)

約120年以上前のロッドとしてはかなり綺麗な状態でしたので今後も長くご使用が可能と思われます。軽微な曲がり直しと一部のラッピング部の防水上塗りを行いました。

長さ約36cmの古い時代の柾目コルク製のグリップに目立つような欠落や穴などは見られない大変綺麗な状態です。リール・フットを固定するリテイナーがエンド・キャップ際に取り付けられていることからシングル・ハンドを意図したとデザインと思われます。ロング・ロッドのキャステイングに便利な肘をグリップに添えるシングル・ハンドやライト・スペイ・ロッドとしても楽しむ事が出来ます。

写真下端のエクストラ・テイップのオス・フェルールの上部が約5p程スレッドで巻きたされています。当店の推測ではステイール・リブドの下端部を巻き止めたスレッドから少し外れた為に上巻きを行ったと思われます。使用上支障はありませんが、当店で防水上塗り塗装を致しております。

フェルールはハーデイ・オリジナルのロック・ファースト・タイプが使用されています。フェルールの差し込み部にがたつきは見られません。

古い時代のハーデイらしい重厚で豪華な造りのブラス製シートとバット・エンドにはハーデイのロゴとシリアルナンバー等が彫り込まれています。

インター・ミデイエット・ラップが施された上から4本の細いフラット・ワイヤーによる編み込みが施されています。フェルールはハーデイ特許のピン付きロック・ファースト・フェルールがセットされています。ラバー・エンドに微小なひび割れが見られますが現状では使用に支障はありません。

ブランクやスレッドの塗膜にひび割れなどは見られません。大変良好な状態から、英国に於いてロッド全体の防水上塗りが施された可能性が推測されます。デザイン段階から考慮されている為かワイヤーの編み目巻きがデリケートなゴールド・メダルのアクションや重量への影響は感じられません。尚、1900年代初め頃のハーデイのモデルでは時折目にするブリッジ・リング・ガイドがストリッピングを含めてすべてに使用されているモデルです。

トップ・ガイドは古い時代のハーデイで見られる金属製のリングでカパー・ワイヤーで巻かれたオリジナルの綺麗な状態を保っています。フェルールの差し込みもしっかりと止まります。ハーデイ・オリジナルのフェルール・キャップが2個付いています。この事からもかなり大切に愛用されてきたロッドと推定できます。1902年に製造されたハーデイの珍しいアンテイークがこのような状態で残されていたことは驚くべきことでしょう。

 

09/23/2023

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