1909年ハーデイ・ギニア・グリーン・ハート 10‘6”#4〜5 メール

現在のデリケートなロッドのように感じさせる軽快なハーデイの渓流から中流域までご使用になれる3ピース・グリーン・ハード・モデルです。当店の知る限りでは”ギニア”は1894年〜1912年まで作られていたと推定されます。後期のモデルではグリーンハートとバンブーが組み合わせていた可能性も考えられます。”ギニア”シリーズは10’〜12’の3ピース・モデルのデリケートなグリーン・ハートして知られているようです(後にアイドンとそのロッド名に変わったようです)。

約120年前のアンテイーク・ロッドとしてはそれほどの使用感が感じられないかなり良好な状態に感じられます。現況のままで、今でも日本の渓流の釣り場で滑らかなグリーンハートのアクションを存分にお楽しみいただけるでしょう。グリーンハートはただべたべたと曲がるだけと言うイメージは、優れたデザインのモデルを振ると一新されると思います。ハーデイのグリーン・ハートは、素材の優れた特性を活かした次の世代のバンブーとは異質の、ソフトなアクションと曲がり切る最後までその力を貯めて解き放つ事で生み出されるキャステイング・パワーの両方をお楽しみいただけるでしょう。柔らかさが印象に残るグリーン・ハート素材ですが、実際は想像より硬くのこぎりで切るのに苦労するほどなのです。

ロッド重量約260g、ブラス・ワインデイング・チェックまで含めた凝った作りのシート一体式ウッド・グリップの全長は約35cm、グリップの最大外径約24.5mm。ワインデイング・チェック上端のバット外径約11.5mm、トップ・ガイド・ラッピング部下のテイップの外径1.6mm。汎用性の高い事が特徴のアンテイーク・ロッドなので適合ラインは#4〜5をメインに#3〜6程度まで使用することができます。 アンテイーク・ロッドに慣れた方ならセミ・ダブルは勿論シングルでのご使用もお楽しみいただけるでしょう。

ロッド全体の状態は約120年程前のアンテイークとしては使用感もそれほど多くない様でかなり良好ですが、2本のテイップの内1本の先端部が約7cm程ショートしています。トップ・ガイドも少し傷んでいたので交換し、加えて一番上のスネーク・ガイドの位置を約2cm程下の位置にずらして巻直しと塗装を行いました。レストアーの終了後、2本のテイップを交換しながらコートランドのWF5ラインでそれぞれシングル・ハンドで20回、セミ・ダブルで30回連続して、合計100回、キャステイングのテストを行いました。両方のテイップとも問題なく快適なキャステイングを行う事が出来ました。

渓流・中流域から本流・中小湖水までご使用になれる万能タイプのアンテイーク・ロッドです。古い時代の凝ったハーデイのロゴが付いたオリジナル布ケースが付いていますが100年を経過しているためかなり傷んでいます。3ピース、2テイップ。当店お問い合わせ番号SA1066。3ピース、2テイップ。グレードは説明: http://www.sasanofly.com/antiqueimg/logo_antique/stars/45stars.gif説明: http://www.sasanofly.com/img/zeikomi.gif¥38,500(税別¥35,000)

使用頻度が少なく状態はかなり良好ですが、上記のショートしたテイップのレストアーと合わせてかなりの数のガイドのラッピングの巻直しと塗装を行いました。全てのラッピング部の防水上塗りも行いました。これからもご使用になれるロッドなので軽微な曲がり直しと、オリジナルの雰囲気を損なわない程度の微少なブランクの防水上塗りを行いました。フェルト素材で一部のガイドの微少な錆を取りました(目視では痕跡が分からないと思われます)。

外観からは使用頻度がそれほど多くない様で凝った作りのウッド・グリップに目立った塗装面の傷などは見られません。当時のフライを楽しんだ特殊な人達に十分満足出来る奥深い品質、高いグレードを持ったロッドです。リテイナー上端とリング下部との間には最大約9cmのスペースがあるので古い時代のフットの長いリールでも取り付けられます。

古い時代のアンテイークらしい重厚なブラス製パーツ類もグレードの高いものが使用されていますが、シートに彫られた”ハーデイ”や”アーニック”の文字がはっきりと見えます。経年による変色が若干見られますがシートの金具にもそれほどの使用感が見られません。

リテイナー下部とウッド・バット・エンドとの間には約40mm程のスペースがあるのでセミ・ダブルでのご使用をお楽しみいただけます。

”ザ・ギニア”のロゴが全て綺麗に残っている事からも使用感の少ないことが推測されます。当店の推測では、時折当店でも目にするアンテイークの状態で、当時の特殊な階級の人達が多かったフライ・フィッシャマンのオーナーがそれほど使用することなく保管していたのではないかと推測しています。
ロッドの表面には目立つような傷や塗装面の剥離などは見られません。ガイド・ラッピングのスレッドは数か所巻き直してありますが他はオリジナルの状態です。尚、このロッドもそうですがこれ程の古いグリーン・ハート・ロッドではしばしばストリッピング・ガイドがスネークを使用しています。

トップ・ガイドは他のガイド類と同一性を保った金属製のライト・ガイドが使用されています。フェルールの差し込み具合も良好でがたつきなどは見られません。グリーン・ハート・ロッド愛好者の方にお勧めの極めて貴重なアンテイーク・ロッドです。

前述のごとく画像下段の1本のテイップが約56mm程ショートしていたため、今後の長いご愛用を考慮して若干傷んでいたトップ・ガイドを現代風のブラックのトップ・ガイドと交換して一番目のスネークの位置を2cm程下にずらして再度巻直しと塗装を行いました。

2本のテイップは当店の連続100回のキャステイングでは問題なく行う事が出来ました。

 


10/23/2025
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