リバプールの北東、ブラックバーンにあったホルソンについては当店にその記録は見付けられませんでした。年代等は仕様等からの推定ですので正確ではありません、違っている場合もあります（１９５０年代の可能性も考えられます）。

このロッドはスピニング・ロッドとしては使用頻度の少ない外観のかなり良好なロッドです。加えて当時のスピニング・ロッドとしては大変珍しい日本の渓流に適した６フィートの極めて短くかつアクションがデリケートなモデルです。スピニングの仕様が未だ定まらなかった時代ですので、スピニング・ロッドとしてのみならず一般的なキャステイング・ロッドと呼ばれたモデルかもしれません。

現在のロッドにも近いデリケートな仕様からフライ・ロッドとしてはデザインされていませんが、日本の渓流で、アンテイークを使い慣れた方ならアンテイーク・バンブーの持つその高い汎用性から二義的な目的で＃４〜＃６程度のラインに適したフライ・ロッドとしてもご使用になれるでしょう（複数のロッドを持ち歩けない場合にお試しください）。

当店でDT3FとDT6Fラインでテストを行ってみました。共に渓流で馴染みの１５ｍ程のキャストを繰り返しましたがショート・ロッドなのでそれ程ロッドが曲がる事は有りませんでしたが問題なくキャステイングができました。

トップとストリッピングはクリヤー・メノウと推測されるガイドが取り付けられていてアンテイーク・ロッドらしい雰囲気を醸し出しています（人造メノウの可能性も考えられます）。バンブー・ロッドの一つの黄金時代の凝った雰囲気が感じられるグレードの高い作りも、１９６０年代という推定の根拠の一つです。手書きの”ホルソン・ブラックバーン”のロゴ・マークやロッドのサイズなどが綺麗に残っています。オリジナルの状態を保った良質なアンテイーク・バンブー・ロッドです。

ロッド重量約１２０グラム。エンド・キャップ金具を除いたコルク・グリップのコルク部のみの長さは約２７センチ、グリップの外径約２１ｍｍ。グリップ上端部のロッドの対面外径は１０．５ｍｍ、トップ・ガイド下の対面外径は約２．４ｍｍです。

ロッドの状態はアンテイークのスピニングとしてはかなり良好で、目立ちようなスレッドの断裂や巻き直し、塗装の剥離などは見られません。２ピース、１テイップ、布ケースはオリジナルではありません。当店お問い合わせ番号SR８８。グレードは 　￥２５，３００（税別￥２３，０００）

良質なコルク素材が潤沢であった時代のグリップなので状態はかなり良好です。 大きな欠落や凹みは見られません。リング・シートも当時のイギリス製らしく重厚な作りでリールを確りと固定できます。

リング・シートはグリップ上端部からエンド・キャプ方向に約２４ｃｍの間の任意の位置に固定できます。アンテイーク・バンブー・ロッドの高い汎用性に馴染んだ方ならスピニングのみならずキャステイング、フライと自在に使いこなせるショート・ロッドです。

基本的な状態が良好な為テイップとバットの軽微な曲り直しを行いました。今後の使用を考慮してガイドとフェルールのラッピング部の防水上塗りを行ってあります。長く主要ロッドとしてご愛用いただくアンテイークなのでオス・メスー・フェルールの着脱と調整、再接着・ラッピングを行ってあります。

美しいラッピングの切断等は見られません、ロゴ・マークも綺麗に残っています。一人のオーナーが丁寧に愛用したと推測されます。

ストリッピングは外径約１０ｍｍ（内径約６ｍｍ）の綺麗な状態のクリヤー・メノウ・ガイドと思われるタイプが取り付けられています（人造メノウの可能性も考えられます）。他のガイドはフル・オープン・フレーム・ガイドです。現在の仕様の大口径のガイドでありません。ブランクの表面塗装に剥離やスレッドの切断等はみられないかなり良好な状態と言えます。

英国に置いてレストアーが行わていないオリジナル性を保った雰囲気のある作りでこれからも長くご愛用いただけるアンテイーク・ロッドでしょう。

メス・フェルールも取り外して調整、ラッピング、再塗装を行いました。フェルールの差込に不都合は有りません。フェルールの差し込みは快適に行えます、ガタツキ等はみられません。かなり珍しい古い時代のチューリップ・タイプのトップ・ガイドは美しいクリヤー・メノウ製と思われます、ガイドのサイズは外径約５ｍｍ（内径約３ｍｍ）。トップ・ガイドのラッピングも巻き直しを行いました（人造メノウの可能性も考えられます）。